ファミリーサポート(ファミサポ)の利用を考えるとき、特に気になるのが料金です。復職後の保育園送迎や残業時の預かりに使いたくても、毎月いくらかかるのか分からないと、家計の見通しを立てにくいでしょう。
ファミリーサポートの料金は全国一律ではなく、自治体や利用時間帯、子どもの人数などによって異なります。ただし、一般的には民間のベビーシッターより利用しやすい金額に設定されていることが多く、短時間の送迎や預かりと相性のよい制度です。
この記事では、ファミリーサポートの料金相場、追加でかかる費用、ケース別の計算例、助成制度、登録から利用までの流れを解説します。制度内容は自治体ごとに違うため、実際に申し込む際は、居住地の自治体またはファミリー・サポート・センターの最新の公式情報を必ず確認してください。
ファミリーサポートの料金相場は1時間700~1,000円程度
ファミリーサポートの料金相場は、子ども1人につき1時間700~1,000円程度がひとつの目安です。平日の日中は比較的安く、早朝・夜間、土日祝日、年末年始などは高く設定される傾向があります。
たとえば、平日の日中が1時間700~900円程度、それ以外の時間帯が1時間800~1,000円程度という料金設定が見られます。ただし、これは全国共通の金額ではありません。自治体によっては日中でも1時間1,000円前後となる場合や、独自の助成によって利用者の実質負担が数百円程度になる場合もあります。
料金を確認するときは、1時間あたりの単価だけでなく、次の項目も確認しましょう。
- 平日料金が適用される曜日と時間帯
- 早朝・夜間料金に切り替わる時刻
- 土日祝日、年末年始の料金
- 1時間未満の端数の計算方法
- 最低利用時間の有無
- 兄弟姉妹を同時に預ける場合の料金
- 交通費、食事代、施設利用料などの実費
- 予約を取り消した場合のキャンセル料
同じ1時間の依頼でも、利用した時刻や延長時間の扱いによって支払額が変わります。料金表だけで判断せず、利用規約や会員向けの手引きまで読んでおくと安心です。金額や時間区分は改定されることがあるため、必ず最新の公式情報を確認してください。
ファミリーサポートは地域で子育てを助け合う仕組み
ファミリーサポートは、子育ての援助を受けたい人と、援助を行いたい地域住民をセンターがつなぐ会員制の仕組みです。自治体が直営する場合のほか、社会福祉協議会や民間団体などに運営を委託している場合があります。
援助を受ける側は「依頼会員」「利用会員」、援助を行う側は「提供会員」「援助会員」などと呼ばれます。両方に登録する会員区分を設けている地域もあります。依頼会員が支払う料金は、一般的には援助活動への報酬として提供会員へ支払われます。
提供会員は、所定の講習を受けた地域住民であることが一般的です。ただし、必ずしも保育士や看護師などの有資格者とは限りません。民間のベビーシッター会社が雇用するスタッフとは立場や契約関係が異なるため、利用前の顔合わせで、子どもの性格、アレルギー、送迎経路、緊急時の対応などを十分に共有する必要があります。
多くのセンターでは、会員登録や事前打ち合わせを経てから援助活動を始めます。また、活動中の事故などに備えて補償保険へ加入していることがあります。保険料が登録料に含まれるのか、自治体が負担するのか、補償の対象外となる場面があるのかは地域ごとに異なります。
ファミリーサポートは、センターが子どもを直接預かる施設型保育ではありません。会員同士の相互援助をセンターが調整する制度だと理解したうえで利用しましょう。
基本料金以外にかかる費用と時間の数え方
実際の支払額は、基本料金に交通費、食事代、施設利用料などの実費を加えた金額になることがあります。1時間あたりの単価だけで予算を組むと想定を超える可能性があるため、依頼内容ごとに総額を確認することが大切です。
交通費
提供会員が子どもの送迎で電車やバスを利用した場合、運賃は依頼会員が負担するのが一般的です。提供会員の自宅から援助場所までの交通費が必要になる地域もあります。自家用車を使えるかどうか、ガソリン代や駐車料金をどのように計算するかもセンターごとに異なります。
食事・おやつ・おむつなどの費用
預かり中に食事やおやつが必要な場合は、依頼会員が用意するか、提供会員が立て替えた実費を支払います。乳幼児ではミルク、おむつ、おしりふき、着替えなども必要です。アレルギー事故を避けるためにも、できるだけ家庭から持参し、食べてよい物を明確に伝えましょう。
端数時間と延長料金
活動時間は、30分単位で計算する地域もあれば、1時間未満を1時間として扱う地域もあります。たとえば1時間10分の利用が1.5時間分になるのか、2時間分になるのかによって支払額は変わります。予定時刻を過ぎた場合には、自動的に延長料金が発生する可能性があります。
キャンセル料
前日までの取り消しは無料、当日キャンセルは報酬の一定額または全額を支払うなど、期限ごとの規定が設けられている場合があります。子どもの急な発熱でもキャンセル料が必要になることがあるため、登録時に確認しておきましょう。具体的な費用や計算方法は、利用するセンターの最新の規定を必ず確認してください。
利用時間帯・兄弟・病児対応で料金はどう変わる?
ファミリーサポートの料金は、利用する時間帯、預ける人数、子どもの健康状態によって変わる可能性があります。特に復職後は早朝や夕方以降の利用が増えやすいため、通常料金だけでなく時間外料金を基準に試算しておくと安心です。
平日の日中とされる時間帯は、自治体によって異なります。保育園のお迎えを18時に依頼し、その後19時30分まで預かってもらう場合、18時や19時を境に単価が変わることがあります。時間帯をまたぐ利用について、それぞれの単価で分割計算するのか、活動開始時の単価を全時間に適用するのかも確認が必要です。
兄弟姉妹を同時に預ける場合は、2人目の料金が半額になる地域、子どもごとに同額がかかる地域、提供会員1人では複数の子どもを預かれない地域などがあります。年齢差や送迎先が異なる場合には、安全面から別々の提供会員が必要になる可能性もあります。
病児・病後児への対応も全国一律ではありません。軽い体調不良に限り対応するセンターもあれば、発熱や感染症の疑いがある場合は利用できないセンターもあります。病児対応では通常より高い料金が設定されたり、医療機関の受診結果や所定の書類が必要になったりすることがあります。
宿泊を伴う預かり、家事のみの依頼、保護者不在での受診、投薬などは対象外となることがあります。「預かってほしい内容が制度の対象か」を料金と併せて確認してください。
ファミリーサポートの料金をケース別に計算
毎月の費用は「時間単価×利用時間×利用回数」に実費を加えて計算します。復職後の働き方を想定し、通常月だけでなく残業が多い月や長期休暇中の費用も試算しておきましょう。
週2回、保育園のお迎えを頼む場合
1時間700円の時間帯に、1回2時間、月8回利用すると仮定した場合、基本料金は「700円×2時間×8回=11,200円」です。ここに提供会員の交通費が1回300円かかるなら、交通費は月2,400円となり、合計は13,600円です。
夕方以降に短時間利用する場合
時間外料金が1時間900円で、1回1時間30分、月12回利用すると仮定します。30分単位で計算される場合、基本料金は「900円×1.5時間×12回=16,200円」です。1時間未満の端数を切り上げる規定なら金額が変わるため注意してください。
兄弟2人を同時に預ける場合
1人目が1時間800円、2人目が半額の400円になる地域で、2時間の預かりを月4回頼むと仮定すると、「(800円+400円)×2時間×4回=9,600円」です。2人とも通常料金なら12,800円となるため、兄弟利用の規定は家計への影響が大きい項目です。
これらは相場を基にした計算例であり、特定の自治体の料金を示すものではありません。利用前には、活動開始地点と終了地点、交通手段、端数処理、食事の有無まで伝え、1回あたりの見込み額をセンターまたは提供会員に確認しましょう。
ベビーシッターや一時保育との料金・特徴の違い
ファミリーサポートは比較的低料金で利用しやすい一方、希望日時に必ず提供会員が見つかるとは限りません。料金だけで選ばず、利用目的、予約の取りやすさ、専門性、預かり場所を比べることが重要です。
民間のベビーシッターは、会社やプランによって料金に幅があり、基本料金のほかに入会金、月会費、手配料、交通費、時間外料金などがかかることがあります。その一方で、当日依頼、長時間利用、病児保育、家事支援、オンライン予約など、多様なサービスを選びやすい点が特徴です。
認可保育所や地域の一時保育は、施設内で子どもを預かります。半日や1日単位で利用する場合は費用を抑えられる可能性がありますが、利用日数、対象年齢、予約受付日、持ち物などに制限があります。保育園から自宅への送迎だけを依頼する用途には向かないこともあります。
ファミリーサポートは、保育園・幼稚園・習い事の送迎、保護者の通院やきょうだい行事中の預かり、復職直後の残業対策など、数時間の支援に適しています。ただし、提供会員の都合や活動可能地域によっては依頼が成立しません。
- 定期的な短時間送迎:ファミリーサポートを検討
- 専門的な病児対応や急な依頼:対応可能なシッター等も検討
- 半日・1日の集団保育:一時保育を検討
- 家事も頼みたい:家事代行や家事支援サービスを検討
ひとつに絞らず、ファミリーサポートを基本にしつつ、依頼が成立しない日の代替手段も用意しておくと復職後の負担を減らせます。
自治体の助成や幼児教育・保育の無償化を確認しよう
自治体によっては、ファミリーサポートの利用料に対する助成や減免制度があり、条件を満たすと自己負担を抑えられます。登録時に案内されない制度もあり得るため、自治体の子育て支援窓口へ自分から確認しましょう。
助成の例としては、ひとり親世帯、多胎児を育てる世帯、生活保護受給世帯、住民税非課税世帯、障害のある子どもを育てる世帯などを対象に、利用料の一部を補助する仕組みがあります。対象者だけでなく、月ごとの上限額、利用できる時間数、申請期限も自治体によって異なります。
また、保育の必要性の認定を受けた子どもについては、ファミリー・サポート・センター事業のうち「預かり」を含む活動が、幼児教育・保育の無償化の対象となる場合があります。一般的な制度上、3~5歳児や、一定の要件を満たす住民税非課税世帯の0~2歳児には月額上限が設けられています。ただし、送迎のみの活動、交通費、食事代などは対象外となる可能性があります。
無償化は、窓口で料金を払わなくてよいとは限りません。いったん提供会員へ全額を支払い、活動報告書や領収書を添えて自治体に請求する「償還払い」となることがあります。利用前に認定申請が必要で、認定前の利用分は対象にならない場合もあります。
勤務先がベビーシッターや育児支援サービスの補助制度を設けている場合もありますが、ファミリーサポートが対象に含まれるかは会社ごとに異なります。助成額、対象年齢、必要書類、税務上の取り扱いを含め、自治体と勤務先の最新の公式情報を必ず確認してください。
登録から利用・支払いまでの手続き
ファミリーサポートは、利用したい日に突然申し込むのではなく、事前の会員登録と打ち合わせが必要です。復職予定日が決まったら早めに登録し、慣らし保育中など時間に余裕がある時期に顔合わせまで進めておきましょう。
- 居住地または勤務先地域のセンターを探す
自治体の公式サイトで利用条件を確認します。原則として市区町村内に在住・在勤・在学している人など、会員になれる範囲が定められています。 - 説明会や登録手続きに参加する
申込書、本人確認書類、子どもの情報などを提出します。登録料や年会費は無料の地域が多いものの、有料の場合もあるため確認が必要です。 - 希望する援助内容を相談する
利用曜日、時間、送迎先、子どもの年齢、アレルギー、提供会員宅での預かりが可能かなどをセンターへ伝えます。 - 提供会員の紹介を受ける
条件に合う提供会員がいれば、センターが紹介します。登録しても必ず紹介されるとは限らず、曜日や地域によっては調整に時間がかかります。 - 事前打ち合わせを行う
子どもと一緒に顔合わせをし、送迎経路、引き渡し方法、緊急連絡先、料金や実費の扱いを確認します。必要に応じて短時間のお試し利用も検討しましょう。 - 活動後に料金を支払う
提供会員が作成した活動報告書を確認し、現金や指定方法で料金を支払います。センターが決済を代行する地域もあります。
助成金や無償化を申請する予定なら、活動報告書、領収書、利用日と活動内容が分かる書類を保管してください。紛失すると申請できない可能性があります。登録方法や必要書類はセンターごとに違うため、公式案内に従いましょう。
料金トラブルを防ぐために確認したいポイント
料金トラブルを防ぐには、依頼前に活動の開始・終了時刻と実費負担を書面で共有することが重要です。口頭だけで済ませず、センター所定の依頼書やメッセージに残しておくと認識のずれを減らせます。
送迎では、どの時点を活動開始とするかが問題になりやすい項目です。提供会員が自宅を出発した時刻、保育園へ到着した時刻、子どもを引き取った時刻のどれから料金が発生するのかを確認してください。終了時刻についても、子どもを保護者へ引き渡した時点なのか、提供会員が自宅へ戻った時点なのかで費用が変わる場合があります。
次の内容は、初回利用前に確認しておくと安心です。
- 活動時間の起算点と終了時点
- 30分未満などの端数の扱い
- 予定より保護者の帰宅が遅れた場合の連絡方法
- 電車・バス・自家用車の利用可否と実費
- 食事、おやつ、施設入場料の負担者
- 兄弟利用時の料金と安全上の条件
- キャンセル期限とキャンセル料
- 子どもが発熱した場合の対応
- 災害や交通機関の遅延時の扱い
活動報告書を受け取ったら、日時、単価、時間数、実費をその場で確認します。疑問があれば提供会員との間だけで解決しようとせず、センターのアドバイザーへ相談しましょう。個人間でセンターの規定と異なる金額や活動内容を取り決めると、補償の対象外となる可能性もあります。
ファミリーサポートの料金に関するよくある質問
ファミリーサポートの料金や利用条件は自治体差が大きいため、相場を把握したうえで地域の料金表を確認することが基本です。ここでは、利用前によくある疑問に答えます。
Q1. ファミリーサポートの登録料や年会費はかかりますか?
登録料や年会費を無料としているセンターが多く見られますが、全国一律ではありません。会員向け保険の費用を自治体が負担する場合もあれば、会員負担が必要な場合もあります。登録時に、利用料金以外の固定費があるか確認してください。
Q2. 料金は誰に、いつ支払いますか?
一般的には、援助活動が終わった後に活動報告書を確認し、依頼会員から提供会員へ直接支払います。現金払いが中心の地域もありますが、振込やキャッシュレス決済、センターを介した支払いに対応する場合もあります。領収書が助成申請に必要かどうかも確認しましょう。
Q3. 保育園のお迎えだけでも利用できますか?
送迎は代表的な利用目的のひとつです。ただし、送迎だけを対象とするか、送迎後の預かりが必要かはセンターによって異なります。保育園側にも、保護者以外の人がお迎えに行くことを事前に届け出る必要があります。引き渡しに必要な会員証や本人確認方法も確認してください。
Q4. 当日でも依頼できますか?
当日依頼を受け付けるかどうかは地域によりますが、提供会員との調整が必要なため、必ず利用できるとは限りません。初回利用では事前打ち合わせが必要となるのが一般的です。残業や子どもの体調不良に備え、早めに会員登録し、複数の預け先を用意しておきましょう。
Q5. 育休中でも登録・利用できますか?
育休中でも、自治体の会員要件を満たせば登録・利用できる場合があります。きょうだいの行事、保護者の通院、産後の休養、復職準備などが利用理由の例です。ただし、対象となる子どもの年齢や利用目的に制限がある地域もあります。復職直前は申し込みが集中する可能性があるため、育休中に登録と事前打ち合わせを済ませるとスムーズです。
ファミリーサポートの料金相場は1時間700~1,000円程度が目安ですが、実際の負担額は時間帯、兄弟利用、交通費、自治体の助成によって変わります。まずは居住地の公式料金表を確認し、復職後に必要な回数で月額費用を試算しましょう。料金だけでなく、提供会員との相性や代替の預け先も含めて準備しておくことが、安心して復職するためのポイントです。





