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妊娠判明後の仕事の続け方|体調と制度を踏まえた働き方

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妊娠が判明したからといって、すぐに仕事を辞めたり、産休まで同じ働き方を続けたりする必要はありません。妊娠後の仕事は、「続けるか、休むか」の二択ではなく、その時々の体調に合わせて通勤、勤務時間、休憩、仕事内容などを調整しながら考えていくことが大切です。

妊娠が分かった直後は、「このまま仕事を続けられるだろうか」「つわりが始まったらどうしよう」「職場に迷惑をかけたくない」と不安になることがあります。特に初めての妊娠では、数週間後の自分の体調を予測することは難しいでしょう。

だからこそ、妊娠判明時点で産休までの働き方をすべて決める必要はありません。今は通常勤務ができていても、後から通勤がつらくなることがあります。反対に、妊娠初期には体調が不安定だったものの、その後落ち着いて働けるようになる場合もあります。

また、妊娠中の労働者には、健康診査を受けるための時間確保や、医師等の指導に基づく勤務上の措置、軽易な業務への転換、時間外労働・休日労働・深夜業の制限など、働き続けるための仕組みがあります。 [oai_citation:0‡厚生労働省](https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=73022000&utm_source=chatgpt.com)

この記事では、妊娠判明後も仕事を続けたい人に向けて、体調の見方、働き方を調整するポイント、利用できる制度、会社への相談方法、仕事を休むことを検討する目安まで順番に解説します。

妊娠判明後も仕事は続けられる?まず考えたいこと

妊娠後の仕事については、「妊娠したから仕事量を減らす」と一律に考えるのではなく、自分の体調と仕事内容を確認することから始めましょう。

妊娠中の体調には個人差があります。また、同じ人でも時期によって状態が変わります。今までと変わらず働ける日もあれば、朝になって突然出勤が難しくなることもあります。

「今まで通り働く」ことを前提にしすぎない

妊娠が分かった時点で体調に問題がなければ、これまで通り仕事を続けられる人もいます。ただし、「今働けているから産休まで同じ働き方ができる」と決めつけないことが大切です。

たとえば、妊娠判明直後には症状がなかったものの、その後に吐き気や強い眠気が出てくることがあります。お腹が大きくなってくれば、長時間同じ姿勢でいることや移動そのものが負担になることもあります。

一度決めた働き方を守り続けるのではなく、体調が変わったら仕事の仕方も変えるという前提を持っておきましょう。

体調・仕事内容・通勤の3つに分けて考える

「仕事を続けられるか分からない」と漠然と考えると、不安が大きくなりやすくなります。そこで、まず「体調」「仕事内容」「通勤」の3つに分けて現在の状況を確認してみましょう。

  • 体調:吐き気、疲れやすさ、眠気などによって勤務に支障が出ていないか
  • 仕事内容:立ち続ける、重い物を扱う、長時間移動するなど負担になっている作業はないか
  • 通勤:満員電車、長時間の移動、乗り換えなどが負担になっていないか

たとえば「仕事そのものは問題ないが、朝の満員電車だけがつらい」という場合、仕事を休む前に通勤時間について相談できる可能性があります。

反対に、「通勤は問題ないけれど、職場で長時間立っていると体調が悪くなる」という場合には、休憩や仕事内容について相談する方が適しています。

どこに負担があるかを分けて考えることで、「仕事を続けられない」ではなく「何を変えれば働きやすくなるか」という視点を持ちやすくなります。

妊娠初期は仕事への影響を毎日確認する

妊娠初期は、数週間先まで働き方を固定するより、その日の体調を確認しながら対応することが重要です。

妊娠が分かったばかりの時期は、「昨日は普通に働けたのに今日は朝から動けない」ということもあります。自分の状態を過小評価せず、変化があれば医師等への相談も検討しましょう。

つわりや疲れ方には個人差がある

妊娠中の症状は人によって異なるため、「妊娠している人はこれくらい働ける」という共通の基準で判断することはできません。

吐き気が強い人もいれば、強い眠気や倦怠感が仕事へ影響する人もいます。食事が十分に取れないことや、特定のにおいがつらく感じることもあります。

「同僚は妊娠中でも普通に働いていた」「周囲の人は休まなかった」という比較は、自分が働けるかどうかの判断基準にはなりません。

症状が強い場合や、勤務を続けてよいか迷う場合は、職場だけで判断せず医師等へ相談してください。体調についてはインターネット上の一般的な情報だけで自己判断しないことが大切です。

仕事中より通勤が負担になることもある

意外と見落としやすいのが、仕事そのものではなく通勤による負担です。

たとえば、オフィスでは座って仕事ができても、毎朝40分間満員電車に立って乗る必要がある場合があります。途中で気分が悪くなり、何度も電車を降りるようになれば、出社するだけで大きく体力を消耗します。

このような場合、「デスクワークだから勤務調整は必要ない」と考えるのではなく、通勤も含めて一日の働き方を見直しましょう。

医師等から通勤緩和について指導を受けた場合には、その内容を会社へ伝え、時差通勤など必要な措置について相談できます。医師等から特別な指導がない場合でも、健康状態や通勤状況に応じて会社へ相談することはできます。 [oai_citation:1‡母性ナビ](https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/suishin/josei_yakuwari.html?utm_source=chatgpt.com)

急な欠勤に備えて仕事を整理しておく

妊娠後も仕事を続ける場合は、「毎日必ず出勤できること」を前提に業務を抱え込まないことも重要です。

たとえば、担当案件の進捗を共有ツールへ記録する、重要な資料を自分のパソコンだけに保存しない、当日対応が必要な仕事をチームで確認できるようにするなど、急に休んでも最低限の状況が分かる状態を作っておきます。

これは産休前の本格的な引き継ぎとは異なります。妊娠判明直後から仕事を手放すのではなく、急な欠勤に備えて「自分しか分からない状態」を少しずつ減らすイメージです。

体調が悪い朝に、布団の中から何人もの同僚へ仕事の説明をしなければならない状態を避けることは、本人の負担軽減にもつながります。

仕事がつらくなったら「どこを変えるか」を考える

妊娠中に仕事がつらくなったときは、すぐに「休職するしかない」と考える前に、負担になっている部分を切り分けてみましょう。通勤、休憩、勤務時間、仕事内容など、一部分を調整することで働き続けられる場合があります。

通勤時間を調整する

朝のラッシュ時に体調が悪くなりやすい場合は、始業時刻や通勤時間帯を調整できないか相談します。

たとえば通常9時始業のところ、混雑を避けて出勤できる仕組みが会社にあるか確認します。フレックスタイムや会社独自の時差出勤制度を利用できる場合もあります。

また、医師等から通勤緩和について指導された場合には、母性健康管理措置として会社へ必要な対応を申し出る方法があります。

会社独自の制度と法律上の母性健康管理措置では利用方法が異なる場合があるため、「どの制度を利用できるか」を人事・労務へ確認するとよいでしょう。

休憩の取り方を変える

一日働くことはできても、妊娠前と同じペースで連続して働くことがつらくなる場合があります。

その場合は、休憩回数を増やす、休憩時間をずらす、体調が悪くなったとき一時的に休める場所を確認するといった対応を考えます。

特に接客や受付、ライン作業など、その場を自由に離れにくい仕事では、「つらくなったら休もう」と考えるだけでは実際には休めないことがあります。

体調が悪くなった場合は誰と交代するのか、どこで休めるのかまで事前に上司と相談しておくと、必要なときに利用しやすくなります。

勤務時間や残業を見直す

通常勤務はできても、残業が続くと翌日に大きく影響する場合は、勤務時間について相談することも検討しましょう。

労働基準法では、妊産婦が請求した場合、使用者は時間外労働や休日労働、深夜業をさせてはならないと定められています。変形労働時間制についても一定の制限があります。 [oai_citation:2‡厚生労働省](https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=73022000&utm_source=chatgpt.com)

これは「妊娠したら自動的に残業がなくなる」という意味ではなく、本人からの請求が前提となる制度です。

実際の申請方法は会社によって異なるため、利用したい場合は人事・労務へ確認しましょう。

身体的負担の大きい仕事を調整する

仕事内容そのものが負担になっている場合は、どの作業が難しいのかを具体的に整理します。

たとえば、「立ち仕事が多い」だけでなく、「レジで2時間以上続けて立つと体調が悪くなる」、「力仕事がある」だけでなく、「日常的に重量物を運ぶ作業を担当している」というように具体化します。

妊娠中の女性が請求した場合、使用者は他の軽易な業務へ転換させなければならないことが労働基準法に定められています。

ただし、具体的にどの業務へ変更するかは職場の状況などによって異なります。現在の仕事で負担になっている部分を上司へ伝え、必要に応じて医師等にも仕事内容を説明して相談しましょう。

妊娠中に利用できる仕事上の制度・措置

妊娠中には、産休に入る前から利用できる制度や措置があります。「妊娠したら産休開始日まで通常勤務を続ける」という仕組みではありません。

ここでは、妊娠中に仕事を続けるうえで特に知っておきたい制度を整理します。

妊婦健診などを受けるための時間確保

事業主は、妊娠中・出産後の女性労働者が保健指導や健康診査を受けるために必要な時間を確保できるようにしなければなりません。

そのため、「妊婦健診はすべて休日に行かなければならない」というわけではありません。

ただし、健診に必要な時間の給与をどのように扱うかなどは別の問題です。会社独自の有給制度がある場合もあるため、勤怠上の取扱いや申請方法は就業規則や人事・労務へ確認してください。

医師等の指導に基づく母性健康管理措置

妊婦健診などで医師や助産師から勤務について指導を受けた場合、事業主はその指導事項を守れるよう必要な措置を講じることが求められています。

状況に応じて、勤務時間の変更、勤務の軽減、通勤緩和、休憩への配慮などが必要になる場合があります。厚生労働省も、女性労働者に対し、医師等から指導を受けた場合には職務内容や職場の状況を説明し、指導内容を会社へ伝えて必要な措置を申し出るよう案内しています。

利用するためには、会社が現在の状況を把握する必要があります。妊娠をまだ職場全体へ公表したくない場合は、上司や人事など必要な相手だけに伝え、情報の共有範囲について相談する方法もあります。

軽易な業務への転換

労働基準法では、妊娠中の女性が請求した場合、使用者は他の軽易な業務へ転換させなければならないと定めています。

たとえば、現在担当している業務の身体的負担が大きい場合に、より負担の少ない仕事への変更について会社へ申し出ることが考えられます。

ただし、「軽易な業務」の具体的な内容は職場によって異なります。厚生労働省の解説でも、具体的な状況に応じて判断されるとされています。

自分で「この仕事なら絶対に安全」と判断するのではなく、現在の仕事内容や負担を会社と共有し、健康上の不安があれば医師等にも相談しましょう。

時間外労働・休日労働・深夜業の制限

妊産婦が請求した場合、使用者は時間外労働、休日労働、深夜業をさせてはならないと労働基準法に定められています。

たとえば、これまで日常的に残業していた人が、妊娠後に体調面から定時退社へ切り替えたい場合には、この制度について会社へ確認できます。

夜勤を含むシフト勤務の場合も同様です。妊娠したことだけで勤務表が自動的に変更されるとは限らないため、利用したい制度がある場合は早めに申し出ましょう。

法律上の制度と会社独自の制度では対象や申請方法が異なる場合があります。具体的な利用方法については、必ず最新の公式情報と勤務先の就業規則を確認してください。

医師等から仕事について指導されたらどうする?

妊娠中に医師等から仕事について指導を受けた場合は、本人だけで抱え込まず、その内容を会社へ伝えて働き方を調整します。

「医師には休んだ方がよいと言われたけれど、会社には迷惑をかけたくないから通常勤務を続ける」といった自己判断は避けましょう。

仕事内容や勤務状況も医師等へ伝える

医師等へ相談するときは、「会社員です」とだけ伝えるのではなく、実際の仕事内容をできるだけ具体的に説明すると、勤務上の状況を理解してもらいやすくなります。

たとえば、次のような情報です。

  • 一日の勤務時間と残業の有無
  • 立ち仕事と座り仕事の割合
  • 重量物を扱う作業の有無
  • 夜勤や早朝勤務の有無
  • 通勤時間と交通手段
  • 仕事中に自由に休憩できるか

厚生労働省も、健康診査で指導を受けた場合には、医師等へ職務内容や職場の状況を説明することを案内しています。

仕事内容が分からなければ、医師等も「どの場面が負担になっているのか」を判断するための情報が不足します。自分の一日の働き方を簡単に整理しておくと相談しやすくなります。

母健連絡カードで会社へ指導内容を伝える

医師等から受けた指導を会社へ伝える方法の一つが、母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)です。

健康診査等の結果、症状等について指導を受けた場合に、医師等に必要な内容を記載してもらい、事業主へ提出します。会社はその指導事項を守れるよう、勤務時間の変更や職務の軽減など必要な措置を講じます。

口頭で「つらいので少し仕事を減らしてほしい」と伝えるだけでは、本人と会社で必要な対応について認識がずれることがあります。医師等から具体的な指導を受けた場合には、母健連絡カードの利用についても確認してみましょう。

調整しても難しい場合は休業も選択肢になる

通勤や勤務時間、仕事内容を調整しても就業を続けることが難しい場合には、医師等の指導内容に応じて休業が必要になることもあります。

仕事を休むことを「働き続けられなかった」と捉える必要はありません。妊娠中の働き方を調整する方法の一つです。

一方で、休業期間中の給与がどうなるかは、利用する休暇・休業制度や会社の規定などによって異なります。年次有給休暇を利用するのか、会社独自の休暇制度があるのかなどを人事へ確認しましょう。

休業が必要かどうかについては、症状だけをもとに自己判断せず、医師等の指導を受けて対応してください。

上司・会社には何を相談すればいい?

妊娠後の働き方を会社へ相談するときは、「妊娠しました」と報告するだけでなく、現在仕事で困っていることを具体的に伝えることがポイントです。

会社側も、何が問題なのか分からなければ具体的な対応を検討しにくいためです。

「妊娠しました」だけで終わらせない

妊娠報告をした時点で体調に問題がなければ、「現在は通常通り勤務できます」と伝えておけばよいでしょう。

すでに仕事への影響が出ている場合は、現在の状況も一緒に伝えます。

たとえば、「妊娠していることが分かりました。現在、朝に体調が悪くなることがあり、今後遅れて出勤する可能性があります。勤務について一度相談させてください」といった形です。

産休や育休の時期まで最初の面談ですべて決める必要はありません。まず現在の勤務について相談し、将来の休業については予定が具体的になってから改めて確認する方法でも構いません。

困っている場面を具体的に伝える

「妊娠して仕事がつらいです」という説明だけでは、どのような対応が必要なのか分かりにくいことがあります。

そこで、「朝8時台の電車で気分が悪くなる」「午後になると立ち仕事を続けるのが難しい」「夜勤の翌日に体調が戻らない」など、問題が起きる場面を伝えます。

そのうえで、「始業時刻を調整できるか」「途中で休憩できるようにしたい」「夜勤について相談したい」など、解決したい内容を話します。

希望する働き方が会社の制度上そのまま実現できるとは限りませんが、困っている場面が明確であれば、別の対応策も検討しやすくなります。

一度決めた働き方も体調に合わせて見直す

妊娠初期に上司と相談して働き方を決めても、その内容を産休まで固定する必要はありません。

たとえば最初は「朝だけ時差出勤」で対応できていたものの、数週間後には仕事内容そのものが負担になることもあります。

反対に、一時的に勤務時間を短くしていたものの、その後体調が変化することもあります。

妊娠中の仕事は、一度の面談で完成させる長期計画というより、状態に応じて更新していくものと考えましょう。

「前回は大丈夫と言ったから変更を頼みにくい」と我慢せず、状況が変わったら改めて相談することが大切です。

仕事内容別に考える妊娠中の働き方

妊娠中の仕事の負担は、職種によって異なります。「妊娠中は○○をすべき」と一律に考えるより、自分の仕事の中で何が負担になっているかを確認しましょう。

デスクワークの場合

デスクワークは身体的負担が少ないように見えますが、長時間同じ姿勢を続けることや、休憩を取らず集中し続けることが負担になる場合があります。

また、仕事そのものより長時間の通勤や残業が問題になるケースもあります。

「座っている仕事だから調整は必要ない」と決めつけず、通勤から帰宅までの一日全体で負担を確認しましょう。

在宅勤務制度がある会社では利用条件を確認する方法もあります。ただし、テレワークは法律上すべての妊娠中の労働者に一律で認められる制度ではないため、会社の制度と現在の業務内容を確認してください。

立ち仕事・接客業の場合

販売、飲食、受付などでは、長時間立つことに加えて「自分のタイミングで休めない」という問題があります。

そのため、休憩時間だけでなく、体調が悪くなった場合に一時的にバックヤードへ移動できるか、誰が業務を代われるかなど、実際の運用まで相談しておくことが重要です。

また、食べ物や香料など特定のにおいによって体調が悪くなる場合は、配置や担当業務を調整できないか相談することも考えられます。

医学的な対応が必要な症状については医師等へ相談し、その指導に基づいて会社へ必要な措置を申し出ましょう。

力仕事・身体を動かす仕事の場合

介護、保育、物流、製造、建設など、物を持ち上げたり身体を大きく動かしたりする仕事では、現在担当している作業を具体的に確認します。

妊娠中の女性が請求した場合には軽易な業務への転換に関する規定があります。また、妊産婦については危険有害業務への就業制限も設けられています。

どの作業を避ける必要があるかについては、仕事内容や健康状態によって異なります。会社だけでなく医師等にも具体的な作業内容を伝えて確認しましょう。

「周囲もやっているから大丈夫」と自己判断するのではなく、自分の担当業務を基準に考えることが重要です。

夜勤・シフト勤務の場合

看護、介護、宿泊、警備、工場などでは、夜勤や不規則なシフトが組まれていることがあります。

妊産婦が請求した場合、使用者は深夜業をさせてはならないと労働基準法で定められています。時間外労働や休日労働についても同様の規定があります。

翌月の勤務表を早い時期に作成する職場では、シフトが確定してから変更を申し出るより、制度を利用したいことが分かった段階で相談した方が調整しやすい場合があります。

申請先や申請時期など、実際の手続きについては勤務先へ確認しましょう。

「仕事を続けるのがつらい」と感じたときの判断基準

仕事を続けること自体が負担になってきたら、「まだ出勤できるか」だけで判断せず、日常生活を含めて状態を見直しましょう。

無理を重ねて限界になってから相談するのではなく、働き方の調整が必要になっているサインを早めに拾うことが重要です。

欠勤や早退を繰り返している

1回の体調不良ではなく、遅刻、欠勤、早退が繰り返されている場合は、現在の勤務方法が体調に合わなくなっている可能性があります。

毎朝「今日は行けるか」を判断し、行けなければその都度欠勤連絡をする状態は、本人にも大きな負担になります。

朝だけ体調が悪いのであれば勤務開始時間、午後まで働くのが難しいのであれば勤務時間、特定の作業で悪化するのであれば仕事内容というように、欠勤につながっている原因を整理してみましょう。

体調そのものについて不安がある場合は、勤務調整だけで解決しようとせず医師等へ相談してください。

休日だけでは体調が戻らない

平日は仕事だけで精いっぱいになり、帰宅後はほとんど動けない、休日は次の勤務に備えて休むだけになっているという状態なら、一日の負担が大きくなっていないか確認しましょう。

単に「出勤できているから問題ない」と判断すると、勤務時間外の生活に大きな負担が出ていることを見落とす場合があります。

妊娠中の体調に不安がある場合は、健診を待たず医療機関へ相談すべき場合もあります。受診時には、仕事をした日の状態や勤務時間、仕事内容なども伝えましょう。

会社の調整だけでは対応できない

時差出勤、休憩、業務変更などを試しても働くことが難しい場合は、「さらに我慢して続ける」のではなく、次の対応について医師等と相談します。

本人としては仕事を続けたい気持ちが強くても、健康状態によっては休むことが必要になる場合があります。

一方、「妊娠したら仕事を休んだ方が安全」と一般化することもできません。休業が必要かどうかは、症状や仕事内容などを踏まえて医師等の判断・指導を受けることが重要です。

医師等から休業を指導された

医師等から一定期間の休業が必要だと指導された場合は、その内容を会社へ伝えて対応します。

このとき、「忙しい時期だから休めない」「同僚へ迷惑をかけるから」と本人だけで指導内容を変更しないようにしましょう。

母健連絡カードなどを利用し、会社へ必要な措置を伝えます。

休業中の給与や利用する休暇制度については会社によって取扱いが異なる場合があるため、人事・労務へ確認してください。

妊娠判明後の仕事についてよくある質問

妊娠したらすぐ仕事を減らした方がいい?

妊娠したことだけを理由に、全員がすぐ仕事量を減らさなければならないわけではありません。

現在の体調、仕事内容、通勤状況、医師等からの指導などを踏まえて判断します。

体調に問題がなく通常勤務を続けられる場合もあります。一方で、仕事量そのものではなく通勤時間や特定の作業だけを調整した方がよい場合もあります。

症状がある場合や仕事内容に不安がある場合は、自分だけで判断せず医師等へ相談してください。

つわりで休む場合は有給休暇を使う?

年次有給休暇が付与されている場合には、体調不良時に年次有給休暇を取得する方法があります。

一方、会社によっては病気休暇や妊娠中に利用できる独自の休暇制度を設けている場合もあります。また、医師等の指導に基づき休業が必要になるケースもあります。

「妊娠中の休みはすべて有給休暇になる」「母性健康管理措置なら必ず有給になる」と一律には考えず、利用する制度と給与上の取扱いを会社へ確認してください。

妊娠中は残業を断ることができる?

妊産婦が請求した場合、使用者は時間外労働や休日労働をさせてはならないと労働基準法で定められています。また、深夜業についても同様です。

妊娠した時点で自動的にすべての残業が禁止される制度ではなく、本人からの請求が必要です。

残業や夜勤を避けたい場合は、勤務先の申請方法を確認したうえで申し出ましょう。

パートや契約社員でも母性健康管理措置を利用できる?

母性健康管理に関する措置は、正社員だけを対象とする仕組みではありません。

厚生労働省は、短時間労働者・有期雇用労働者についても、妊娠中・出産後の健康診査等を受けるための時間確保や、医師等の指導事項を守れるようにするための必要な措置を講じる必要があると示しています。

「パートだから相談できない」と判断せず、勤務先の担当者へ確認してください。

会社に相談しても対応してもらえない場合は?

まず、いつ、誰に、どのような相談を行い、どのような回答を受けたのかを整理しましょう。医師等から指導を受けている場合は、母健連絡カードなどで内容を明確に伝える方法があります。

妊娠・出産等を理由とする解雇などの不利益な取扱いは法律で禁止されており、妊娠・出産等に関するハラスメントについても事業主に防止措置が義務付けられています。

社内で解決が難しい場合には、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)などへ相談できます。母性健康管理措置に関するトラブルも、紛争解決援助の対象として案内されています。

まとめ|妊娠後の仕事は「続けるか休むか」ではなく調整しながら考える

妊娠判明後の仕事は、「産休まで今まで通り働く」か「仕事を休む」かの二択で考える必要はありません。

まずは自分の状態を、体調・仕事内容・通勤の3つに分けて確認してみましょう。仕事そのものには問題がなくても通勤がつらい場合もあれば、勤務時間は問題なくても特定の作業だけが負担になることもあります。

負担が出てきたら、通勤時間、休憩、勤務時間、残業、仕事内容など、「どこを変えれば働きやすくなるか」を考えます。

また、妊娠中には、健康診査を受けるための時間確保や医師等の指導に基づく母性健康管理措置があります。妊娠中の女性が請求した場合の軽易業務への転換や、妊産婦が請求した場合の時間外労働・休日労働・深夜業の制限も労働基準法に定められています。

そして、一度決めた働き方を産休まで続ける必要もありません。妊娠中は体調が変化することがあるため、「今月は通常勤務」「必要になったら通勤を調整」「さらに負担が出たら仕事内容を相談」というように、その時点の状態に合わせて見直していくことができます。

医師等から仕事について指導を受けた場合には、母健連絡カードなどを利用して会社へ内容を伝えましょう。症状が強い場合や仕事を続けてよいか迷う場合には、会社との勤務調整だけで解決しようとせず、医師等へ相談することも重要です。

「妊娠前と同じように働けているか」ではなく、「今の体調で無理なく続けられる働き方になっているか」を基準に、必要な制度や会社との調整を利用しながら働き方を考えていきましょう。

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